SSブログ

11/29 「放射能はイヤ!被ばく失しない権利のための西日本公聴会&つどい」の動画(第二部)ができました

【11/29 「放射能はイヤ!被ばく失しない権利のための西日本公聴会&つどい」の動画(第二部)ができました】
 佐賀県の「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の永野さんの講演『玄海原発「避難計画」では命を守れない!~市町等への調査・面談から見えてきたこと~』をはじめ、福島県での取り組み、滋賀県との交渉の報告などを見られます。 なお第一部の動画は、12/16のペ-ジ
 → http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/archive/20141216


私はこう書きました~パブリックコメントに、どこでも誰でも放射能健診を要求しよう

【私はこう書きました~パブリックコメントに、どこでも誰でも放射能健診を要求しよう】
 環境省が放射能健診の要求を否定する「中間とりまとめ」を決定し、それに沿った「施策の方向性(案)」をすぐに公表しました。環境省はこれに関わるパブリックコメントを、1/21まで募集しております。
→ http://www.env.go.jp/press/100098.html

 パブリックコメントを送っても環境省は無視するでしょうが、内容は集計されて公表されるはずです。これが次の環境省との交渉の材料にもなります。ぜひ皆さんが提出してください。

 「中間とりまとめ」と「施策の方向性(案)」にはいくらでも批判がありますが、書いていたらきりがないので、私はこう書きました。

パブリックコメントの直接の対象は「施策の方向性(案)」です。
 → http://www.env.go.jp/press/files/jp/25690.pdf

「中間とりまとめ」の評価はこちら。
 → http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/2014-12-21 

【以下、要点】
① 「(2)福島県及び福島県隣県に・・・」云々の項
 がんや病気が「今後増加することも予想されない」などと、環境省や長瀧重信らの憶測で判断しないこと。そんな議論より先に健康被害の実態を国が調査すること。

〔理由〕対策は健康被害の実態を基に作るものであり、線量の多少より健康被害の調査が、先に行うべき行政の仕事である。国が『美味しんぼ』の内容を巡り騒いだ時も、結局、国はなにも健康調査をしなかったではないか。

② 上記(2)項を修正すること。
 福島県内外を問わず、希望するすべての人に、甲状腺、造血器官、循環器、消化器その他の健康診断を具体化すること。及び被害が確認された人には医療費の補償を国と東京電力の責任でおこなうこと。

〔理由〕福島県外では国の責任による放射能健診が何ら行われていない。国が調べないだけで、健康被害は福島県外でも発生している。

③ 「(3)福島県の・・・・『甲状腺検査』の充実」の項
 甲状腺がんが異常に多発していることを前提に、福島県では県民健康調査の枠に限定せず、甲状腺がん検診を2年に1度でなく一層頻繁に行うこと。また対象者を全県民に広げること。

〔理由〕手術の実施が必要なほどの甲状腺がんが少なくとも84例発症し、その多くが転移を伴うがんであった事実は、福島県で発見された甲状腺がんの大多数が重篤で放置できないがんであったことを示す。

④ 上記(3)項に関連して
 全県民を対象に甲状腺疾患の医療費を国が補償すること。

⑤ 上記(3)項に関連して
 甲状腺検査を受けた本人が何の手続きなくエコー写真を入手できるように、直ちに福島県に求めること。その他データも同様。
 また県立医大のデータ独占をやめさせ、県立医大以外の医療機関で自由に甲状腺診療や健診、「セカンドオピニオン」を受けられるよう、直ちに変更を求めること。

★こちらが、私が書いたパブリックコメントの内容です。 時間があったら見てください。
 Public1.jpgPublic2.jpg
【ところで、千葉県の9市が・・・・・】
 千葉県の白井市、流山市、我孫子市など9市が市長の連名で11/14に、環境省に放射能健康診断を要求しました。
 
 このうちの多くの市がさっそくHPに「パブリックコメント」の提出を案内しています。 例えばこれ。
 → http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/080800/p021522.html

 ためしに高槻市のHPを見ましたが、この件はありませんでした。〔探し方が足らないかもしれませんが・・・・・。〕

さっそく福島県立医大が、「NHKスペシャル」に言い訳

【さっそく福島県立医大が、「NHKスペシャル」に言い訳】
 3日前の日付(12/27)で福島県立医大のHPに、「NHKスペシャル 38万人の甲状腺検査」についてのコメントが載っていました。その内容は下に転載しました。

 放映の翌日ですから、あらかじめ反論を作るよう準備して、すぐに載せたのでしょう。「美味しんぼ」の時と同じで、どんな風に放映/評価されるか、彼らがとても気にしていることは、わかります。

 でも、この程度で急いで反応するのかな・・・・・・・?

 「NHKスペシャル」は、今年3月の「報道ステーション」や「美味しんぼ」のように放射能の健康被害、特に甲状腺がんや鼻血の多発の現実そのものを報道したのではありません。

 この点を「NHKスペシャル」は、「放射能の影響は判らない」で終えました。「甲状腺がんは多発か?そうでないか?」という点も、触れませんでした。(NHK記者の努力は高く評価しますが。)

 放映の前日(12/25)には1巡目の検査があり、甲状腺がん手術84例と公表されました。事態はNHKの報道を超えて深刻に進んでいます。

 こちらもご覧ください。→ http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/2014-12-29-1

 私も1/16に、福島県との交渉に参加します。

【以下、福島県県立医大のHP『NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」について』
→ http://fukushima-mimamori.jp/news/2014/12/000152.html

 2014年12月27日

 2014年12月26日に放送されましたNHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」において、福島県立医科大学の甲状腺検査体制、取組みについて報道がありました。報道内容に県民の皆様の誤解を招きかねない点がございましたので、以下にご説明いたします。

 甲状腺検査一次検査において、保護者の方が検査に立ち会うことが出来ない、との点について

 現在、甲状腺検査は小・中・高等学校に通われている皆様につきましては、学校を会場に実施しております。また、未就学児の方、高校を卒業された方については公共施設等の会場や本学と協定を結んだ医療機関にお越しいただいて実施しております。
 このうち、公共施設等や本学と協定を結んだ医療機関で行う検査では、未就学児の方が多いこともあり、保護者の方も一緒に検査ブースに入って検査を受けていただいております。学校で実施する検査については、担任の先生や養護教員の方が学年単位、クラス単位で引率、受診いただくことが多く、原則として保護者の方の立ち合いはございません。

 結果通知の書式について

 番組の中でも触れられましたが、結果通知の書式については県民の皆さまのご意見、ご要望を伺い、これまで大きく3度変更しております。現在の書式では、のう胞や結節が一つか複数かと、それぞれの大まかなサイズをお知らせしています。また結果通知と併せて、のう胞や結節の特性やこれまでの検査結果等を判定別に解説したパンフレットを同封しております(A判定用、B及びC判定用)

 なお超音波検査画像の取得については、手続きを簡素化しております。(超音波画像等の取得について)

 福島県外での受診について

 番組で、福島県外にお住まいの浪江町の方に福島県外の医療機関で検査が受けられることをご案内している場面がありますが、甲状腺検査対象者の方はどなたでも福島県外の医療機関(2014年12月26日現在92機関)で検査を受診いただけます。県外検査説明ページ

 検査時間が3分ということについて

 検査時間を3分間にするという表現がありましたが、これは、「1回目の検査を2年半で終わらせるために割り出した時間」ではありません。あくまで検査に最低限必要な時間を検討した上で目安として挙げられたものです。検査時間に制限はありません。
 実際の検査時間は一人ひとり異なり、のう胞・結節(しこり)などの所見があるかないかによっても違ってきます。

 地元医師会との連携について

 福島県医師会との連携および医師会に所属する開業医の方々を対象とした技術講習会は、福島県の協力要請を医師会がお受けいただいたことにより実現しているものです。講習を受講いただき、認定試験を経て、合格された医師の方を、福島県が認定しております。

 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センターでは、今後も皆さまのお声に耳を傾け、至らぬ点は改善しながら県民の皆さまと共にこの事業を推進し、長期にわたる健康の見守りを継続してまいります。
                                            (ここまで)

1/16(金) 放射能健診・医療補償を求め、福島県と交渉&諸行動/「NHKスペシャル」12/23夜

【1/16(金) 放射能健診・医療補償を求め、福島県と交渉&諸行動】
 福島県交渉と諸行動が2015年1月16日(金)におこなわれます。主催は放射能健康診断100万人署名運動全国実行委員会。主要な行動は、

★1月16日(金) 午前と午後、福島駅前で「放射能能健診署名」。
★午後1時より福島県と甲状腺ガン問題の解明、放射能健診・医療をもとめて要請交渉。
  昼12:50、中町会館集合
★夕方6時30分からは、交渉報告と今後の取り組みについて集会を行います。
  場所は、男女共同参画センター

 12・25発表で、小児甲状腺ガンは112人になり、手術例は84件、そのうち7割は転移。1回目検査で異常でなかった子どもから2回目の検査で4人新たにガン発見。この2年、2年半の間にがんが発症したわけです。希望するすべての人に健診、医療と被ばく健康手帳配布はまったなしの状況です。

<当日のスケジュール>
10:30 放射能健診署名行動(福島駅東口)

12:50 福島県交渉へ集合。中町会館(福島市7-17 県庁近く)
                   http://www.fm-so.org/access
13:00 福島県交渉 

終了後 放射能健診署名行動(福島駅東口)

18:30 放射能健診・福島県交渉報告会(8時終了)
     会場:男女共同参画センター会議室(〒960-8035 福島市本町2番6号)
     http://www.city.fukushima.fukushima.jp/site/shisetsu/shisetu-yakusho22.html

【「NHKスペシャル」】
 12/23夜、「NHKスペシャル」で福島県の甲状腺検査が取り上げられました。

 NHK福島局が伝えたことは、甲状腺検査の2巡目の検査受診率が伸びない。その背景に、

①県立医大への不信が、二次検査の受診に拒否感を生んでいる。

②「心配するのに疲れたから、受診したくない」と言う親。

 一方で、

③ベラルーシでは今も9割の受診率を維持している。

④浪江町の独自の甲状腺検査制度の紹介、という点でしょうか。

⑤放射能の健康被害について、「判らない」で終わった。

 まだ2巡目の検査(福島県は「本格調査」と呼んでいる。これも不信感の原因)が始まったばかりで、本当に受診率が低いのか?疑問は残りますが、それは当面置いておいて・・・・・・・、

【ベラルーシのこと】
 私が特に注目したのは、③ベラルーシの事例です。背景には国が、成人しても毎年甲状腺検査を案内し、医療費は補償しているはず。前提として、国がチェルノブイリの放射能事故の責任をとる事が明確になっているからです。「検査すると不安」と言う声はベラルーシの住民も福島の住民も同じように抱きます。それでも9割の受診率は確かに高いと思います。健診への信頼感の問題でしょう。

【浪江町のこと】
 同じように注目したのが、④浪江町の甲状腺検査。町の診療所では県立医大の検査と違って、親が立ち会って医師と一緒にエコーの画面を見ながら説明を受ける。検査時間も県立医大は1人あたり3分に対して、浪江町ではもっと長い。

 「県立医大とは独自にやっている」という話しでしたから、検査データは医大に行かず、本人に渡されているのか?そのような印象でした。
 
 町行政の姿勢の基礎にあるのは、「浪江町民は被ばくさせられた」事を認める姿勢でした。

【リスクコミュニケーション】
 もう少し詳しく知りたいと思った点は②に関連して、福島県が「住民との対話」を強めていること。「リスクコミュニケーション」。

 NHKは山下・鈴木ら福島県立医大が「住民の不安に向き合って来なかった」事が不信感の原因だと主張しました。これはその通りでしょう。

 しかし今進められる「対話」「リスクコミュニケーション」がどんな影響を住民に与えるか?対話に当たる県立医大の准教授は「放射能の影響は判らない」と言い、多くの親はこれで安心、少なくとも医大に対する不信が減るような場面を映しました。

 母親たちが放射能の不安を声に出せない抑圧感・「同調圧力」も取材されていました。

 国も県も、あからさまな「安全です」の押しつけは反発されることを知り、一方で「もう疲れた」という県民の気持ちに忍び寄る方法として「リスクコミュニケーション」「エートス」を多用します。これは一時は少なからぬ県民に「効果」~思考停止の誘惑~を及ぼすでしょう。

 しかしそこにはベラルーシのような「国・東電が健康被害の責任をとる」姿勢はありません。番組を見て、彼らの弱点も見えました。これでは県民の不安は結局、解凍しないのです。そして「放射能の影響は判らない」では済まない健康被害の現実がすでに表面化しています。

 浪江町の独自施策が更に県内に広がり、内容が発展するには、県民・当事者の要求と運動が必要です。放射能健診署名はその声を集め、励ます力です。 

 そして井戸川さんの「あなた方は子どもを放射能から守っていますか」という問いかけに答える県民が増えることが、福島と日本を変える力です。

12/25 福島甲状腺がんの新たな公表内容について。異常多発の新たな事態/いつまで放置するのか?!/『本格調査』で4人の新たな『悪性または悪性疑い』が発見された事の意味

【12/25 福島甲状腺がんの新たな公表内容について。異常多発の新たな事態】
 12月25日の福島県民健康調査委員会が新たな結果を公表。福島県が「先行調査」と呼ぶ事故後3年間の調査結果に加えて、「本格調査」と呼ぶ2014年4月以降の2巡目の検査結果の中間発表もありました。

【いわゆる「先行調査」について】
 「先行調査」のデータはこれ
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/96850.pdf

 今回の公表で、「先行調査」で手術症例が57から84に増えました。県立医大は”手術するまでに何度も検査をしており必要ない手術はしていない、”と主張しますから、手術に至る症例は重症な症例です。(若干、患者の希望で手術をおこなうこともある、と言っています。)  クリックして拡大
               がん手術例.jpg
 一方、細胞診をして『悪性または悪性疑い』とされた子どもは前回より4人増えて108人です。細胞診で「悪性または悪性疑い」(甲状腺がん)と判定された子どもは、ほとんど手術を受けます。(その結果、病理検査でがんと確定診断される。)検討委員会の甲状腺検査評価部会でも、県立医大・鈴木眞一は、細胞診を実施後の経過観察はごくわずかだと言っています。
               
 そうなると、今後も手術事例は100程度まで増えるでしょう。
 
 例えば3年間で30万人(これは「甲状腺検査の一次検査受診者数」に相当する)中に手術事例が100なら手術の割合は、
     100人÷3人÷30万人×10万 = 11.1人(1年・10万人あたり)
クリックして拡大 
     図・先行調査.jpg
 これを罹患率とするなら「1年・10万人当たり11人」となり、15歳~19歳の甲状腺がんの全国平均罹患率1.1人(1年・10万人当たり)を基準にすると、10倍の異常多発です。

 なお、現時点で判明している患者84人を分子に、一次検査の結果確定者296586人を分母として計算すると、全国平均の8.4倍。

 また15~19歳に限定して全国平均の罹患率(1年・10万人あたり1.1人)と比較すると、もっと罹患率の比が大きくなります。

 福島県の公表データには、年齢ごとの一次検査受診者の人数が書かれていないので、正確な数字が読み取れませんが、各年齢層ごとの「一次検査対象者」/「一次検査受診者数」を見ると、15歳~19歳の間に一次検査を受診した人数を推定できます。 するとその人数は68238人、約7万人です。クリックして拡大。
     甲状腺検査年齢階層.jpg
 罹患率は: 70人÷3年÷70000人×100000 = 33.3人(1年・10万人あたり)

 同年齢階層の全国平均と比較して、30倍の多発です。

 しかも実際の罹患率はこれ以上に高い可能性があります。その理由は、

①年齢層ごとの甲状腺検査の受診率を見ると、「事故当時16歳~18歳」の層の受診率が51%で、極端に低い。他の年齢層では81%~96%。甲状腺がんは年齢が上がると罹患率も上がります。もし「事故当時16歳~18歳」の層の受診率が80%程度であったら、がんの手術事例は更に増えて罹患率はもっと高くなる。

②計算上の問題ですが、分母を15歳~19歳の「一次検査対象者」ではなく同年齢の「一次検査結果確定者」の人数とすれば、分母が小さくなる分、罹患率はやはり高くなる。

③今後、2013年度調査地域の子どもの細胞診受診者が増えると、更に「悪性」判定が増える可能性が高い。

④今までの計算は「30万人を3年間かけて診断した」として、調査期間を一律に3年としてきましたが、各度の調査地域ごとに、検診した1年間の手術数と受診者をもとに罹患率を計算すると、下のグラフになります。これの方が真実に近いか?
              福島手術1.jpg
 あるいは、2011年度の調査地域では1年間の手術数、2012年度地域は2年間の手術数、2013年度地域は3年間の・・・、とすると、2011年度、2012年度調査地域の計算値は変わってきます。(それぞれ上のグラフの値に、1, 1/2, 1/3 をかけます。これは放射能事故の影響があることを前提にした場合です。)

【チェルノブイリと比較すると】
 次は甲状腺がんの「発見数」。スクリーニング検査で発見した(福島県立医大は「自覚症状がない人も検査した」と言う)甲状腺がんの割合をチェルノブイリの場合と比較します。
             福島/チェルノブイリ.jpg
 原発からもっとも近いゴメリを除くチェルノブイリの放射能汚染地域と同程度か、それらを上回る甲状腺がん発見率です。

【いつまで放置するのか?!】 
 いずれにしても、異常多発であることに変わりはない。

 福島県と県立医大は今まで、「現在見つかっているがんは、本来はヒトが成長してから見つかる可能性のあるがんを網羅的な検診によって早期に発見していると考えられる。」「原発事故の影響とは考えにくい」との見解です。この2点は表裏一体。

 つまり『何も手を打たない、何もしない』という意思表示。きっと福島県も環境省も、対策をとると「放射能の影響を認めた」と言われることを恐れているのでしょう。しかしそんな理由で異常多発の事態を放置するのか? 「判らない」などとのんきなことを言っている場合ではない。
 環境省の役人は「役人が動くためには理由がいる」旨のことを言いました。そして「異常な多発」を否定しようと躍起です。

 私たちは福島県にも環境省にも、原因捜しは後で良いから先ず甲状腺がん対策をとれ、と要求します。1/16【金】には福島県と交渉です。
 → http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/2014-12-29-1

【『本格調査』で4人の新たな『悪性または悪性疑い』が発見された事の意味】
 すでに4例の甲状腺がんが見つかって議論になっていますが、2巡目の甲状腺検査の少し詳しく公表された内容を読みました。
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/96851.pdf

 このうち3人は2011年度調査地域(伊達市、田村市、大熊町)、1人は2012年度調査地域(福島市)ですから、がん発見は3年間で3人と2年間で1人の合計4人。一方、一次検査の結果判定者は約6万人(正確な数字は60505人)。うち二次検査対象者が457人ですが、結果が出ているのはその1/3の155人なので、実質的な一次検査結果の判定者は約2万人です。クリックして拡大。
     図・本格調査.jpg 
 控え目に「3年間で4人のがん患者が新たに発見された」と仮定すると、この3年間の平均の発見率は、

 分母に一次検査の結果判定者6万人をそのまま使うと、
    4人÷3年÷6万人×10万 = 2.2人(1年・10万人あたり) → 全国平均の2倍
  
    (これは『有病期間』を使って発見率を罹患率と比較する方法と同じ計算です。)

 一次検査の結果判定者を、2次検査の結果判定者数を考慮して、2万人とすると、
    4人÷3年÷2万人×10万 = 6.7人(1年・10万人あたり)  → 全国平均の6倍

 「福島県と全国の甲状腺がん罹患率が同じ」と仮定して、ポアソン確率分布を計算すると、
 ・ 福島県で「3年間に6万人あたり4人またはそれ以上」の発症者が発見される確率は、13.9%.

 ・ 同じく「3年間に2万人あたり4人またはそれ以上」の発症者が発見される確率は、0.5%.

 罹患率は分母の取り方によって異なりますが、後者では明らかに有意な差です。 ~ これは全国平均と同じ程度の罹患率である確率はきわめて低く、罹患率は全国平均より明らかに高い、という意味です。

 まだ「本格検査」は中途段階ですが、”調査の進行を待って対策を採るか採らないか考える”では遅すぎる事態です。

【環境省にどこでも誰でも放射能健診を求めるパブリックコメントを送ろう】
 このパブリックコメント。→ http://www.env.go.jp/press/100098.html

 専門家会議の「中間とりまとめ」に基づき、何もしないどころか、「安全安心」と言って住民の要求を抑えにかかる「リスクコミュニケーション」を進める、とする内容の施策案です。

 環境省がパブリックコメントの声を聞いて、施策を変えるとは思いませんが、環境省の施策に「反対」という声の数はカウントされ、記録が残ります。ぜひパブリックコメントを出してください。1月21日まで。

★予定の変更とお詫び。12/26福島県行動★

★予定の変更とお詫び★

 12月26日(金)に予定していた福島県との放射能健診問題での交渉は、福島県当局より、「25日健康調査検討会の直後なので、どうしても対応できない。1月に必ず受けるので、日程再設定」と言われました。

 そのため、12月26日の福島県交渉&署名行動は延期し、再度日程調整をおこなうことにいたします。

 予定を直前で変更してしまい、誠に申し訳ありません。

 57件の甲状腺がん手術例、環境省専門家会議の放射能健診否定など、重要な局面ですので、早めに、1月上~中旬で日程調整します。詳しい日時は、決まり次第、改めてご連絡いたします。

11/7 放射能健診の要求に対する環境省の回答/専門家会議「中間とりまとめ」と同じ弱点/敵の中の内輪もめ

【11/7 放射能健診の要求に対する環境省の回答】
 福島みずほ参議院議員事務所の方々のご尽力で、放射能健診100万人署名運動全国実行委員会の請願(11/7)後に、環境省から文書回答が出てきました。今まで環境省はなかなか文書回答を出さなかったのですが、今回は文書で回答しました。

 感想を一言で書くと、“よっぽど回答に困っているな~”です。

【専門家会議「中間とりまとめ」と同じ弱点】
 この回答以前の11/11に福島県民健康調査検討委員会が以下の内容(甲状腺がん手術事例の内訳)を公表しました。環境省も知っている。
  https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/90997.pdf
  がん手術例.jpg
 次に環境省の回答を掲載します。↓
回答1.jpg回答2.jpg回答3.jpg

 特に質問3と4に対する回答をご覧ください。↓
回答4.jpg回答5.jpg

 皆さんはどう感じましたか? 環境省は私たちの質問に答えられず、明らかなごまかしをしました。

【質問3への回答】
 「福島県立医科大学は従来より、『現在見つかっているがんは、本来はヒトが成長してから見つかる可能性のあるがんを網羅的な検診によって早期に発見していると考えられる』との見解を示しているが、・・・・・・・鈴木眞一教授が・・・・・・・・発表した内容は、これと異なるものではない・・・・。」

  これは明らかな間違い、矛盾。もし『現在見つかっているがんは、本来はヒトが成長してから見つかる可能性のあるがんを網羅的な検診によって早期に発見している』という従来の説明の通りなら、患者に不要な負担がかかるがん手術を全国平均の30倍の頻度で実施など、しないはず。

 福島県の説明では、57例の手術された甲状腺がんのほとんどが『ヒトが成長してから見つかる』がんではなく、「経過観察」でなく「絶対的手術適用」の症例でした。
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/90997.pdf
 

【質問4への回答】
 「①県民健康調査で見つかった甲状腺がんは、症状の無い検査対象者を網羅的に検査した結果の数である。」
→ これはいわゆる「スクリーニング効果」によるがん発見数の説明です。今までさんざん聞かされました。でも質問4はそんなことを訊いていません。“手術数が全国平均との比で30倍であることを、どう説明するのか?“です。

 環境省はこれに答えません。答えられないのです。

【敵の中の内輪もめ】
 昨日のページにも書きましたが、環境省が専門家会議「中間とりまとめ」で、放射能の健康被害をもみ消すために福島県を乗り越えて前面に出してきました。福島県と環境省の間にも利害の不一致がはっきりあります。

 環境省は甲状腺がんの多発をこれ以上明らかにしたくない。だから甲状腺検査を「過剰診断」といって攻撃し、縮小を狙う。

 一方、福島県と県立医大は県民健康調査を続けたい。それは県民の健康や「安全・安心」のためではなく、県立医大のデータ独占と利権確保のため。IAEAもバックについている。
 だから県民健康調査は、検査はしても本人にもデータを渡さない(さんざん批判されて少し手続きを簡素にしましたが、やはり手続きが必要)。18歳を超えたら医療費も自己負担。がんが多発しても、「原発事故の影響とは考えにくい。」 しかも甲状腺がん以外の検査はとても小規模。

 その両者の妥協点が中間とりまとめの「疫学的追跡研究」という文言。 <健康調査の規模をずっと縮小するが、データ採取・蓄積と研究は続ける。そのデータは県立医大が独占する。> これが彼らのゴールか?

 県民健康調査を続ける事が私たちの要求ではない。福島で県民健康調査に換わる新たな放射能健診の制度を県民参加で作ることが、私たちの要求。そして国と東電の責任で日本中「どこでも誰でも無料で放射能健診」。

12/26 福島県で放射能健診署名&県庁交渉&交流集会

【12/26 福島県で放射能健診署名&県庁交渉&交流集会】
 放射能健康診断100万署名運動実行委員会が、福島県に対し小児甲状腺がん57件の手術例問題と健康診断・医療補償を求めて請願と交渉を行います。合わせて福島駅前で「どこでも誰でも放射能健診署名」を呼びかけます。
 急ですが、ご都合がつく方、みなさまご参加ください。

 問い合わせは:くつざわ090-2720-2284、たかせ080-1082-9980

<当日のスケジュール>
12月26日(金)
 10:30  福島駅東口集合、
       ★どこでも誰でも放射能健診署名を取り組みます。

 12:50  福島県庁集合、午後1時、福島県交渉  集合:県庁ロビー
       ★13時より、県交渉(県民健康課。時間の前後はあるかもしれません)
       ★終了後: 署名行動(16:30終了)
      
 18:30 ★報告集会と今後打ち合わせ(20時終了予定)
       場所:ふくサポ(チェンバおおまち3階)福島市大町4-15 電話:024-526-4533
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92960-8065+%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%B8%82%E5%A4%A7%E7%94%BA%EF%BC%94%E2%88%92%EF%BC%91%EF%BC%95+%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%BE%E3%81%A1/@37.753208,140.466642,15z/data=!4m2!3m1!1s0x5f8a85cbed29e2bf:0x31657be216694ad7?hl=ja

12/18環境省「専門家会議」が突然に結論/環境省の弱点がよく見えます

【12/18環境省「専門家会議」が突然に結論】
 12月18日、環境省の「住民の健康管理の在り方に関する専門家会議」が突然に開催され、突然に結論を決めて終了しました。公示は12月15日、わずか3日前。しかも今回は傍聴を拒否し、報道機関のみの入場許可、という異様な状況下の抜き打ち開催でした。環境省はよほど焦っていたのでしょう。

 さて、会議は「中間とりまとめ」という名の結論を決定したようです。「中間・・・・」といっても最終結論です。
→  http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01-14.html

内容の特徴は、以下の通り、特に重要なのは④~⑦です。
① 甲状腺がんを含めて福島県内の健康被害を否定。“放射線被ばく量はチェルノブイリよりずっと低く、健康被害が出るはずがない“、という主張で全ての問題を押し切ろうとする。(このことを主張するために、被ばく線量の推定にやたら多くのページ数をかける。)

② 甲状腺がん多発の事実自体は否定できないが、異常事態であることを否定するためにいろいろな理屈を持ち出した。大人の甲状腺がんの罹患率の一般論を持ち出したり、超音波検診で多くのがんが見つかると言ったり。(以下、引用)

 「日本においても、人間ドック等における超音波検査の実施が増加するにつれ、甲状腺の異常所見(のう胞、結節及びがんを含む)が発見される頻度は増加している。」

 「甲状腺がんの発見率は女性で0.72%、男性で 0.25%であったとしている。」

 「甲状腺は成人においてラテントがん(病理解剖時に初めて発見されるがん*)が高頻度に見られる臓器としても知られ、日本では1~3 割と報告されている。ただし、甲状腺のラテントがんはそのほとんどが 2~3mm 以下、多くは 1mm 以下である。」
 (*注釈:遺体の解剖時に見つかるがん、という意味)

 「成人に対する検診として甲状腺超音波検査を行うと、罹患率の10~50倍程度の甲状腺がんが発見される」*
(*注釈:超音波検査で、自覚症状のない甲状腺がんが「10~50倍」見つかる、と言っている。)

 これはすべて大人の話。子どもには適応できないことは、環境省も認めます。

③そこでなお子どもの甲状腺がんの多発が気になるため、チェルノブイリとの比較を持ち出した。

 「今回の原発事故後の住民における甲状腺の被ばく線量は、チェルノブイリ事故後の線量よりも低いと評価されている」

 「チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故から 4~5年後のことであり、「先行検査」で甲状腺がんが認められた時期(原発事故後約3 年)とは異なる」

 「チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは主に事故時に乳幼児であった子どもであり、「先行検査」で甲状腺がん又は疑いとされている者に、乳幼児(事故当時5 歳以下)はいない」

 もうこの辺になると、自信がないから思いつく理由を全部並べて自己弁護するだだっ子のように見えますね。

④ 一方で、11/11に公表された甲状腺がん手術57事例のうち、転移、浸潤を起こしている甲状腺がんが大多数との事実の評価がない。書けないのです。

⑤ 重要な点は、国は甲状腺がんの多発の事実をこれ以上明らかになると困るので、福島県の甲状腺検査を中止または縮小させたいが、しかし今すぐ止めろとは言えず、矛盾する文章が書き込まれたことです。

 「『甲状腺がん検診』(ここでは、自覚症状のない集団に対する甲状腺超音波検査を指す)を対策型検診として実施することについては、・・・・・・・一般論として以下の点を慎重に考える必要がある。」

 一方で、「専門家会議は、県民健康調査『甲状腺検査』が実施されてきたことは適切な対応であり、今後も継続していくべきものであると評価する」とか、「『先行検査』及び1回目の『本格検査』の総合的かつ精緻な検証とそれを踏まえた関係者間での対話を行い、県民のコンセンサスを得る過程が重要である」という文言。

⑥ 福島県以外では健康診断は不要、と言いきりました。

⑦ 健康被害はないはず、健康異常があっても放射能の影響ではないはずので、医療費の補償には一言の言及もない。

【環境省の弱点がよく見えます】
 環境省はこの「中間とりまとめ」を結論として、急いで施策を決定します。しかしこんな経過の専門家会議に権威はなく、幾つもの弱点がさらけ出されました。

①なぜ今? 国は、原発再稼働のためには「放射能の被害はない」と言わないと前に進めない状態。そこで、総選挙で『与党大勝』の幻想がある今がチャンス、と思ったのでしょう。

 この時期に、【国】環境省が福島県という隠れ蓑を脱いで、放射能の健康被害を抑えつける前面に出てきました。これも彼らの焦りと読めます。

② 最大の弱点は、甲状腺がんの異常多発の現実が「中間とりまとめ」をすでに超えて広がっていることです。「中間とりまとめ」は甲状腺がんの手術57事例について、何も触れられませんでした。理屈では否定できず無視するしかなかった。しかし現実はどんどん広がって無視できなくなる。  (この点は11月19日のページに詳しく書きました。
  → http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/archive/20141119)

③ 福島県内の甲状腺検査をすぐに止めることはできませんでした。理由の1つは、福島県/福島県立医大が抵抗したこと。これは決して彼らが県民の健康を大事にしようと思って、検査の縮小に抵抗したのではありません。IAEAと協定をむすんだ県立医大の甲状腺・被ばく影響調査のデータ独占と権益(資金)の維持のためです。県立医大はがん関連の病棟を増設中と聞きます。環境省と福島県の間にもこのように、一部に利害矛盾があります。
 その意味で、「中間とりまとめ」の中の「疫学的追跡調査」という文言で環境省と福島県・医大が合意する流れが見えます。検査規模を縮小して、データだけはしっかり集め、治療はしない(自己負担)。~ まさにヒロシマのABCCと同じです。
 
④ しかしより大きな、根源的な力は、県民の要求でしょう。放射能健診を求める声ははっきりある。甲状腺検査をすぐに止める力は国にもない。福島市内、郡山市内で放射能健診署名を取り組むと、市民の共感と要求を実感できます。そして井戸川さんが知事選挙で集めた3万票は、その事を数字で表現しました。

⑤ 他にも千葉県9市長が連名で要求書を環境省に提出し、放射能健診の実施を迫っています。

  当面、敵は二つ。年末にその一つ、福島県庁に交渉に行きます。 (このあと、予定は変更され、1月に延期されました。)

どの党が票を増やし、どの党が減らしたか?/安倍の戦争・差別・格差貧困化政策が確信的保守の票を引き寄せた

【どの党が票を増やし、どの党が減らしたか?】
 総選挙の分析はいろいろされているので、私が気になった数点を書きます。

 自民党が今回の比例区得票を100万票増やしました。はじめは「なんで?」と思っていましたが、「次世代」が壊滅し「みんな」が消滅したことも思い出して、改めて得票を比較しました。

 下の表に前回と今回の比例区得票数をまとめました。特徴は、①比例区全体で投票数が685万票減った。②その中で自民党が103万票増やした。③共産党が237万票増やした。④民主党は15万票、公明党は20万票増やした。⑤「維新」などは・・・・?

 そこで、離合集散の激しいグループをまとめてみしました。
gragh1.jpg クリックして拡大

民主党から出たり入ったりするグループを薄い黄色でまとめると、この選挙で260万票減らした。

いろいろ言いながら「日本維新の会」に入ったり出ていったグループを桃色でまとめると、このグループは771万票も減らした。

 おそらく、前回「維新の会」「みんなの党」に回った票のうちの770万票が今回は行き先をなくして、その相当部分が自民党に、他の相当部分が棄権に回った。
.
 前回あれだけ民主党政権が民衆の期待を裏切ったのに、なお自民でなく民主党らに投票した票のうち260万票が、今回は一部が共産党に、残りは棄権に回った。

【安倍の戦争・差別・格差貧困化政策が確信的保守の票を引き寄せた】
 前回自民党に投票された票が,今回そのまま安倍・自民党に入ったとは思えません。集団的自衛権や世論への傲慢な、増長した態度、アベノミクスの結末、格差と貧困を実感する人が目立って増えている。

 その中で自民党が票を増やしたのは、石原らを支持する確信的保守層の票が「尖閣・慰安婦・集団的自衛権」を合い言葉にして安倍に流れたからでしょう。

 安倍はますます戦争と差別を煽るでしょう。それが固い支持者をつなぎ止めて生き残る途だと思っている。
 
 でもそれは安倍の政権基盤をますます崩します。民衆の生活実感とかけ離れていきます。「選挙で大勝」なんてマスコミが煽るのは1~2ヶ月程度。現実の政治・経済情勢は何も変わっていない。来年の賃上げも大企業の正社員だけ。中小企業や派遣・非正規の労働者はますます格差を感じるだけ。確信的保守層も安倍を支えられない。

 何より沖縄民衆という大きな壁と、共産党の躍進という大きな不安材料を突きつけられたのだから。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。