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2/15に公表された福島県民健康調査の結果/食品の放射能検査~「プロメテウスの罠」で改めて知ったこと

【2/15に公表された福島県民健康調査の結果】
 今回の公表結果を巡っても、「本格検査で新たに甲状腺がん(疑い含む)が12人増えて51人に。」「合計で167人に」など報道されています。福島県も,原因は別として全国に比べて「数十倍のオーダーで多い甲状腺がんが発見されている」と認めました。

 昨日(2/16),さっそくNHKが深夜のニュース解説でこの点を、「放射能の影響とは考えにくい」とする福島県の主張を繰り返して宣伝しましたが、それでも結論は「放射能の影響はないとは言い切れない」でした。

 ところで「本格検査」(二巡目検査)が始まってから気がついたことを2回ほど書きましたが、今回も傾向(そして疑念)が変わっていないことを紹介します。

【やはり検査を絞っているのか?】
甲状腺3.jpg
①「先行検査」(一巡目)に比べて「本格検査」(二巡目)のH26年度では、「通常診療等」への移行者のうち「細胞診」受診者の割合が半減しました(39.7%→20.3%)。

②一方でこの時期の「二次検査対象者」(B,C判定者に相当)の割合は0.8~0.9%であまり変わりません。また「二次検査対象者」のうちの「通常診療等移行者」の割合はほぼ同じか、少し上がっています。

 つまり「本格検査」の一次のスクリーニング検査は以前の「先行検査」の時と同程度かより正確にB,C判定を出しているのに、「細胞診受診」の段階で急にバードルが高くなって、受診者が制限されたのです。
 
③また「細胞診受診者」のうちの「がんまたはがん疑い」の人の割合が1.5倍に上がりました(21.6%→32.5%)。

 これも細胞診の受診者数を制限しているために起こった現象だという強い疑いを持ちます。

 (なお「先行検査」の確定報告が出された2015年6月30日の後に新たに3人の「がんおよびがん疑い」の人が発見されて116人に、また手術してがんと診断された人は2人増えて100人になった旨が、口頭で報告されました。上表の「先行検査」はこの点を反映させました。)

 27年度の結果がまだ3割しか判明していない段階なので,今後若干の変動はあるでしょうが、私はやはり、福島県と県立医大が、結果として甲状腺がんの患者数を少な目にする診断基準の変更をした、と思います。これは環境省や「専門家会議」が「過剰診断」の合唱をしたためです。

【それでもがんの多発は隠せない】
 今回の「本格調査」の公表結果でも、先行検査では甲状腺がんでなかった51人に新たに甲状腺がんが見つかり、10万人中23人、異常に高い発見率です。2次検査や通常診療が進めばさらに増えるかもしれません。

 51人の甲状腺がんは直近の2年間に発生したものと考えるのが、最も考えやすい。健康調査検討委員会では、先行検査の時に見つからなかった甲状腺がんが大きくなって発見された、という根拠のない議論まで持ち出して放射能の影響を否定しますが、それこそ「考えにくい。」

 私は、甲状がん以外の健康被害がすでに表面化していることを、昨年の福島訪問で確信しました。これを国に認めさせるのが運動の次のテーマです。

【食品の放射能検査~「プロメテウスの罠」で改めて知ったこと】 朝日新聞の「プロメテウスの罠」が今年1月に「食わんで結構」のタイトルの特集をしました。その中で福島県産の米の出荷先などが紹介されました。要約すると、

・福島県産米の生産量は県民の消費量の3倍。

・出荷先は関東の比率が増えている。

・価格は会津産米など一部を除き事故前より下落し、ブレンド米や「外食」「中食」にまわされる量が増えている。

 おいしいし安全なのに買ってくれないから素顔を隠す「覆面レスラー」のようだ、と書かれていますが、この記事は私や多くの人が危惧している汚染色品の全国流通を裏づけました。

 「プロメテウスの罠」では福島の食材は放射能検査をされている、と強調されます。問題はその検出力。私が福島に行って聴いたのは、民間の放射能測定所では7Bq/kg、行政の調査で20Bq/kg。

 福島の食材だけではなく、近隣県も含めての問題です。

 同じ時期に朝日新聞デジタル(http://www.asahi.com/articles/ASJ2364NLJ23OIPE03L.html)に「格安弁当にはワケがある 「卸に出どころ聞かぬルール」」というタイトルの記事が出ており、廃棄カツ横流し問題の背景に、弁当業界は少しでも安い食材を求めて必死になっている事が報道されました。
 
 この2つを読んで、ますます外食・加工食品の放射能を調べる必要を感じました。

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